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宇根 勝巳*; 野北 和宏*; 白鳥 徹雄; 林 君夫
Journal of Nuclear Materials, 288(1), p.20 - 28, 2000/09
被引用回数:19 パーセンタイル:77.96(Materials Science, Multidisciplinary)本論文は、平成8~9年度に行った原研-日本核燃料開発(株)(NFD)共同研究のまとめの一部である。原研JRR-3Mにおいて、550-630の等温条件で被覆管による拘束圧力なしに51,86及び90GWd/tの高燃焼度まで照射したUO燃料ディスクについて、詳細な組織観察、元素分析及び密度測定を行った。ペレット被覆管相互作用(PCI)拘束力のリム構造形成に及ぼす効果を明らかにするため、得られたデータを高燃焼度ジルカロイ被覆管型燃料ペレットについてこれまでに報告された結果と比較した。86及び90GWd/tの高燃焼度ディスクについては、巨大気泡及び高気孔率を伴う多孔性のリム構造が認められたが、51GWt/dのディスクについては認められなかった。気孔率増加のデータなどから、粗大化したリム気泡の析出と成長が燃料のスエリングを引き起こしたことが結論された。また、与えられた局所燃焼度の文献データとの比較において、リム気泡サイズや気孔率が大きく異なっているのは、外部のPCI拘束効果が異なることに起因する可能性を指摘した。
鈴木 元衛; 斎藤 裕明*
JAERI-Data/Code 97-046, 210 Pages, 1997/11
軽水炉燃料の高燃焼度領域における通常時及び過渡時のふるまいを解析する計算コードEXBURN-Iを開発した。高燃焼領域では、ペレット熱伝導率低下、被覆管の水側腐食、燃料棒発熱分布の変化などが大きくなり、燃料棒のふるまいにかなりの程度影響を及ぼす。こうした現象を解析するため、FEMAXI-IVをベースとしつつ改良を施し、ペレット熱伝導率変化、FPガス放出率の燃焼履歴依存変化、被覆管酸化膜成長などの新たなモデルを組み入れた。本報告は、コードの全体構造とモデル及び物性値の説明を詳細に行い、また詳細な入力マニュアル、サンプル入出力などを添えたものである。
藤城 俊夫; 白川 典幸*; 鶴田 隆治
JAERI-M 83-187, 58 Pages, 1983/11
反応度事故条件下の燃料の温度挙動を解析し、実験結果と照合する上で、燃料ペレットの偏心によるギャップ熱伝達の周方向分布や被覆管に取付けた熱電対のフィン効果による局所的な冷却の影響が無視できないことが分ってきた。また、ジルカロイ-水反応による発熱やUO-ジルカロイ共晶反応によるペレット・被覆管の融着による影響のためにこの局所的な影響が助長される可能性があることも問題となってきている。そこで、以上の各効果をモデル化し、かつ、パラメータ計算に適するよう短時間で処理できるようにモデルを工夫した二次元燃料挙動解析コードNSR-EXENTを開発した。本報告は、NSR-EXENTの解析モデルおよびサンプル計算にもとづく解析機能の評価結果をまとめたものである。
柳原 敏; 塩沢 周策; 斎藤 伸三
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(6), p.469 - 481, 1982/00
反応度事故条件下における燃料挙動の解明がNSRRにおいて進められている。実験の結果、UOペレットの偏心のために、被覆管温度が円周方向において異なっていることが判明した。この温度差は180°方向に取り付けた2本の熱電対による測定結果では、必ずしも最大の温度差を表してはいないが、測定可能な範囲内で最大150Cであった。他方、照射実験後、酸化膜厚さから温度差を推定した結果では、290cal/g・UOまでの発熱量条件において最大350Cであった。又、簡単な計算により、最大限UOペレットが偏心した燃料棒において被覆管の円周方向の温度差を評価すると、260cal/g・UOの発熱量において最大350Cの温度差が出来ることが分った。このUOペレット偏心の影響は、反形、溶融等にも現れており、UOペレットの偏心が燃料棒の破損にも影響を及ぼしている。
石渡 名澄; 永井 斉
日本原子力学会誌, 23(11), p.843 - 850, 1981/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)反応度送入事故条件下の酸化物燃料よりのFP(主にゼノン,よう素)の放出挙動を明らかにするため、種々の軽水炉燃料をNSRRにおいて照射した後、照射燃料試料系中のCs-137を測定した。NSRR照射に依ってUOペレット中に生成したFP(主にゼノン-137,よう素-137)は、UOの蒸発と相関しつつペレット外に放出された。ここでUOの蒸発は、固体UOから昇華した部分および飛散した溶融UOから蒸発した部分を含めている。350cal/g・UO以上の発熱量において、蒸発は相当量に達した。
石渡 名澄
日本化学会誌, (6), p.1021 - 1026, 1981/00
UOペレットからペレット外に、および燃料棒被覆管のピンホールからループ1次冷却水中に放出されるIの量とその様相を追求するため、原子炉内水ループにおいて、人工的にピンホールを付けた燃料棒を用いてFP放出実験を行った。 人工的にピンホールを付けた燃料棒は、沸騰水型運転モードにおいて照射されたが、照射時間は21.2日であった。冷却水中のIの量は、試料採取後に化学分離してから線スペクトロメトリーにより測定した。 照射終了時点において、人工的にピンホールを付けた燃料棒からループ1次冷却水中に放出されたIの量は1.9Ciであった。照射期間を通して、Iの平均放出率は2.5Ci/sであった。
石渡 名澄
日本化学会誌, (6), p.1027 - 1033, 1981/00
人工欠陥燃料と炉内水ループを用いたFP放出実験において、I-131とCs-137の放出挙動に対するループ1次冷却水温度の条件変動の影響を追及した。 JMTR定格出力運転等価時間として約12日間の照射後に、ループ1次冷却水温度降温操作が始まり、それから6時間後に原子炉停止操作が行われた。上述のような操作が行われている間に、燃料棒から放出されるI-131の様相を明らかにするため、ループ1次冷却水中のI-131量を測定した。併せてCs-137量の測定も行った。 I-131の平均放出率よりも大きい放出率のピークは、ループ1次冷却水温度降温操作時および原子炉停止操作時に出現した。Cs-137の平均放出率よりも大きい放出率のピークは、ループ1次冷却水温度降温操作時に出現した。
細川 隆徳*; 星 蔦雄; 柳原 敏; 岩村 公道; 折田 義彦*
JAERI-M 9140, 40 Pages, 1980/10
反応度事故条件での燃料破損挙動に及ぼすペレット形状の影響を調べるために、フラット及びディッシュペレット型燃料棒の照射実験を実施し、これまでのチャンファペレット型燃料棒の結果と比較した。実験の結果によると、ペレット形状の相違による被覆管表面温度挙動、照射後燃料棒の外観ならびに変形量等に差異は認められなかった。原因検討のために、有限要素法によりペレットの熱弾性解析を行なった結果、ペレット形状の相違によりペレットの変形量に大きな差異は認められず、このことからペレット形状の影響は小さいことが確認できた。
柳澤 和章
JAERI-M 7726, 95 Pages, 1978/07
IFAー208および224をHBWRにて照射した結果の解析が終了したので報告する。IFAー208は中心孔付のフラット、片端ディッシュ、両端ディッシュペレットを平均線出力615W/cmで平均燃焼度5.1GWd/Tuoまで照射を行なった。照射後この燃料は優秀な寸法安定性を有していた事が示された。IFAー224は中実および中心孔付のフラット、両端ディッシュペレットを用い平均線出力590W/cmで平均燃焼度11.8GWd/Tuoまで照射を行なった。照射後大きな欠陥ほ観察されなかったが、2本の棒に1個所ずつ小さなサンバースト・ブリスターがみられた。被覆管の歪は非常に小さく1リッジ変形は見られなかった。PCIに関する設計変数の効果、高線出力・低密度燃料と高線出力高密度燃料によるPCI挙動等について比較・検討を行った。燃料中心温度等もあわせて報告した。
柳澤 和章; 竹下 功; 斎藤 隆
JAERI-M 7634, 23 Pages, 1978/04
本報は出力サイクル運転下の燃料ピンの変形に関する予備的実験の結果について取りまとめたものである。結果は以下の通りである。(1)表面形状の測定から棒には30mの微少な偏平がみられた。(2)直径方向に10mの縮みがみられた。(3)一定出力中の温度上昇で0.03mmの長さ変化が観測された。(4)出力サイクル運転終期には高出力側で120m、低出力側で80mの伸びが観測された。低出力および高出力でのピンの変形様式は非常に良く似ていた。(5)ペレットの割れは軸方向に平行でなく(ペレットとペレットの境界に達した割れの伝幡方向には一意性のないことが金相試験によって明らかになった。観察した割れは枝分れしていた。
柳澤 和章
JAERI-M 7503, 10 Pages, 1978/01
縦駆動照射装置の特性を利用してUOペレット溶融時の燃料ピンの挙動を金相観察によって調べた。得た結論は以下の通りであった。(1)UOペレットの溶融は約630W/cmで生じ溶融域は同心円状に試料全体の約1/3まで広がった。(2)典型的なぺレットの横断面形態を金属写真により観察した。その結果ぺレット中心部では粒界が見られず、中間および外線部で非等粒が生じていた。(3)殆んどの気孔は粒界内側でなく粒界上に集積していた。(4)ペレットの割れは粒内割れてあった。
柳澤 和章
JAERI-M 7289, 40 Pages, 1977/09
画像解析装置(QTM)を用いた焼きしまり実験解析で得られた知見および技術を明らかにした。QTMの粒径測定の性能は良好であった。そこでQTMを使用して焼きしまり実験に用いたUOペレットの粒径測定を行ないその結果を示した。気孔および気孔分布測定上の問題点とその処理法を明らかにした。そこから得た知見に基づきUOペレットの気孔分布を測定しその結果を示した。
柳澤 和章; 内田 正明; 林 清純*
JAERI-M 7210, 51 Pages, 1977/08
ATR型燃料を実用条件に近い条件でJMTR、OWL-1ループを使用して平均1720Mwd/tまで照射しUO燃料の焼きしまり挙動を調べた。実験には初期密度、結晶粒度、および気孔度の異なる6種類のUOペレットを用いた。照射前後のUOペレット密度変化はメタキシレン液浸法を用いて測定した。初期密度の低いものは1.5~2.0%TD近く焼きしまりがあったが95%TD以上のものは殆んど焼きしまらなかった。ペレットの結晶粒径は3~11mの範囲内にあった。照射により5m以下のものが焼きしまりそれ以上のものは殆んど焼きしまらなかった。気孔度および気孔の分布の測定は画像解析装置を用いて測定した。気孔が小さく不安定型分布をもったUOペレットは照射で大きく焼きしまったが気孔が大きく安定型分布をもったものは殆んど焼きしまりをおこさなかった。